人類が直立歩行をはじめてから約100万年。以来、腰痛は二本足で立って生活する人類の「宿命の苦痛」といわれています。腰は体重の大部分を支えているのですから、どうしても他の部位に比べ大きな負担がかかってしまうのです。腰が急に痛むようになった場合は、ギックリ腰や椎間板ヘルニアなどが考えられますが、何となく重苦しい痛みが持続するような場合、ほとんどが腰痛症と考えられます。
腰痛症は、姿勢が悪かったり立ち仕事や座り仕事など同じ姿勢を長時間続けていたり、クーラーで冷えたり、運動不足や肥満などが原因で起こる症状です。
これらによって引き起こされる腰の痛みは、血液循環が悪くなり、筋肉がこわばって周囲の神経を圧迫することから起こります。したがって、ちょっと腰が痛んだり重苦しく感じたときは、その都度、腰をさすったり軽く体を動かして血行を促し、筋肉の緊張をほぐしましょう。
腰痛は慢性化させてしまうと大変面倒ですので、正しい姿勢を意識したり、腰を冷やさないようにするなど日頃からの注意が必要です。
また腰痛には、手の甲にある2つの腰腿点を刺激する方法が最も効果的です。

腰腿点(ようたいてん)
腰腿点の1つは、手の甲の人さし指とつながる指伸筋の親指側中央にあり、もう1つは薬指とつながる指伸筋と小指とつながる指伸筋の間の中央にあります。指伸筋をさがすのには手を握るか、指に力を入れて開くと、手の甲にある4本の指伸筋浮き出て見えます。

腰腿点の効果的な刺激方法は、親指と人差し指を腰腿点にあてて中指(ツボ刺激する側の手)に向かって押し揉みます。
また、ツマ楊枝刺激法などを使った刺激法も効果的です。1日に2~3回、同じ場所を1~2分程度行いましょう。つらかった腰の痛みが、みるみるうちになくなっていくのが実感できるでしょう。