痛みやコリがつらい時に、多くの人が頼るのが揉みほぐし。
直接、人の手で体をほぐしてもらうのはとても心地よいものです。
揉みほぐしの効果を最大限に引き出したいのなら、ぜひ、施術中頭を空っぽにして下さい。
揉みほぐしが気持ちいいのは、皮膚の表面にきている神経の末端を刺激することで、それが脳に伝わり、心地よさを感じるからです。さらに、筋肉のこわばりを人工的にほぐすことで、血液やリンパの流れが改善されてリラックスできるのです。
揉みほぐしを受ける側としては、揉みほぐされている時のほぐれた感覚をできるだけ長く持続させたいところ。ところが、効き目が長続きしない人がいます。
「揉みほぐししてもらっている間はいいけど店を出るころにはもうダメ」という人は以下に当てはまるところがないか確認してみてください。
効きが持続しない人は、揉みほぐしを受けながら仕事など、次の予定を考えてしまうのです。
「45分のコースを頼んだから、残りはあと15分位か。次はA社で商談だから、○○線で移動して、何分だ・・・」など、次にやらなければならないことを体の表面は気持ちよくても揉みほぐしに没頭できていないから、脳は次にすべき問題の解決について考え続けています。
すると、本来は揉みほぐしによってリラックスして副交感神経が優位になるはずの自律神経が、緊張状態である交感神経優位のままになりますから、どんなに揉みほぐそうとしても、血管はまるで「開くものか」と緊張。血流もリンパの流れも低調なままで揉みほぐしの時間が終わってしまいます。
当然、表面が心地よいだけで、脳の緊張をとく、という本来のリラクゼーション効果は得られていないですから、店を出たとたん、現実に戻り、体のしんどさも思い出してしまう。
こういう経験をした人は自分のコリが強いせいだと勘違いして、次に揉まれるとき、「強く押してくれ」と言いがちです。
しかし、脳の緊張を取り除かなければ揉みほぐしの強弱にはあまり意味がありません。
むしろ、緊張した状態で揉む力を強くされすぎると、筋繊維を痛めて筋肉に傷がついてしまいます。
これによって筋肉は更に硬くなってしまい、慢性的な肩の痛みに悩まされることになります。
ですから、頭の中を空っぽにして揉みほぐしに集中・堪能するのが正解です。